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​『空間の波』作曲者 Hayata. 様との対話

2024年07月12日  講義  

五月祭で展示した楽譜『空間の波』をご制作いただいた作曲家のHayataさんをお招きし、東京・北青山にあるスタインウェイ&サンズ東京にて、楽曲の制作秘話を伺いました。

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『空間の波』の意図について、作曲者のHayataさんからこのようなお話を伺いました。
“今回のお話を受けて、手の数が多ければ、10音以上の音を鳴らす際にペダルに頼る必要がなくなるため、音が切れる瞬間の自由度が高くなると考えて制作しました。それを利用して、ピアノロールをご覧いただくと分かりやすいのですが、音が波のように(寄せては返すように)見える楽譜に仕上がっています。既存の音楽が音を鳴らすタイミングを厳重に管理しているのと同様に、この曲では音を消すタイミングを一音一音管理することを考えました。”

とのことでした。

ここで、五月祭で公開していた感想・質問ノートにてHayataさんへの質問をいただきましたので、そのごQ&Aを以下に掲載いたします。

Q. 1台のピアノで演奏したらペダルの影響はどこまで考慮されているのでしょうか。
A. 制作の時点で前述のように、ペダルの使用は最小限にして、ペダルに極限頼らずに演奏出来るように作ってあります。

Q. 可能性としては、ピアノの鍵盤をどんどん伸ばして指も無限に増やせるのでしょうか?
A. 指を無限に増やすことはできなくはないと思いますが、ピアノの鍵盤の音域が人間にとって既に音楽としての可聴域の限界に近いのではないかと思います。


Q. ピアノの鍵盤の制約の中で、どの本数までが美しいと感じられる限界だと思われますか?

A. 鍵盤の拡張を行う時には今度は人間の耳が進化しなければならないと思います。脳が同時に制御できる指の本数にもよるかもしれませんが。

最後に、小学校低学年くらいのお客様からノートの最後のページに寄せられたご感想を紹介したいと思います。
「このきょくをつくった人はてんさいの人だとおもいます。このきょくをつくった人にあってみたいです。」
とのことでした。

皆様、沢山のご感想ありがとうございました。

HayataさんはYouTube上でも精力的にご活動なさっており、ご自身のSNSでは日本で行われるコンサートの情報も複数掲載されています。ぜひ以下のリンクから訪問してみてください。

 https://lit.link/hayata21

最後になりましたが、Hayataさん、パリ国立高等音楽院への合格おめでとうございます。ご多忙のところ、新しい挑戦を共にしてくださりありがとうございます。また、今回の企画に参加してくださったAMS学生プロジェクトの仲間達、スタインウェイ&サンズの会場を調整してくださった谷口先生、そしてご意見を下さった五月祭にご来場の皆様に厚く御礼申し上げます。


聖徳大学教育学部3年 黒木裕水

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