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​パフォーマンスアート×サイエンスワークショップ

2019年8–11月  プロジェクト  

AMSSのメンバーの中で身体表現に興味がある有志が集まり,4ヶ月にわたるワークショップを行いました。身体の動きと他のアート表現の関わりを身体と頭を使って考えるオリジナルのプログラムでは,頭で考えるよりも,身体で考える意義を体感しました。

"まずは身体の「普通の」動きを動きながら研究してみました"

​  メンバーによるレポート

絵画や音楽による表現以外のアートとして、身体表現に関心のある有志が集まりワークショップを行いました。

集まったメンバーは、パフォーマンスアートの経験がある人、ダンスや絵、音楽による表現をしっかり学んだ人、そして私のように趣味でダンスを楽しむ人・・・と多種多様。「様々なバックグラウンドを持つ人々の交わりからどんな化学反応が起こるのだろう?」とワクワクする気持ちでワークショップ初回を迎えました。

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ワークショップではそれぞれが案を出し合い、身体運動に焦点を当てたいろいろな“実験”を行いました。例えば「立つ」「座る」といった日常的な動作を分析してみる。動作の力点(アクセント)はどこにある?このアクセントを意図的にずらしてみたら、何だかおかしな動きに見える。では「普通の動き」とは何をもってして「普通」なのか?私たちはその「普通」をどのように習得したのか?・・・もちろん答えは簡単に見つかるものではありませんが、だからこそ意見交換が盛り上がり試行錯誤の過程も楽しむことができました。

 

また、身体運動と他のアート表現のつながりを考える時間も設けました。一人が詩を音読し、他のメンバーがそれを聞いて想起されるイメージをダンスで表現するという試みでは、同じ詩でも読み方によってダンスが大きく変わることを実感しました。逆に創作ダンスから想起されるイメージを紙の上に表現する試みでは、描かれた線の筆圧や曲がり方などをメンバー間で比較しました。「身体の動きだけでなく顔の表情も大きく影響するよね」「絵を描くときに筆を走らせる腕の動きだってダンスとして捉えられる!」など、各々の自由な感想を共有できたことは非常に有意義であったと感じます。

 

他にもここには書ききれないほどたくさんのアイデアに取り組みましたが、全体を通して私が感じたのは身体表現が持つボーダレスな可能性と力強さです。ダンスはステージ上でのみ繰り広げられるものではありません。私たちの日常に当たり前のように溶け込んで存在しています。メンバーのバックグラウンドの違いや経験の差をものともせず、私たちを繋げてくれたダンス。きっと身体表現は「科学的に解明される対象」になりうるばかりか、「科学の理解を助けるための手段」としても有効に違いない!

 

・・・何だかワークショップを始める前よりもっとワクワクしてきました!

 

東京大学理科三類 服部麻凜

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