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​ことばの意味性と音楽性

2023年9月23日  講義  

今回は、解剖学者・発生学者であると共に詩人としてもご活躍中の田中庸介先生から、「ことばの意味性と音楽性」と題してご講義いただきました。

当日は、ご自身の詩人として活動や芸術遍歴についてご紹介いただいた後、誰でも書ける前衛詩について教えていただき、参加者全員で1〜3のみの数字のみを用いて数字短歌を書くワークショップや、現代詩の抱える課題についての議論などを行いました。

この記事ではワークショップの一部をご紹介します。

 

(参考に私がその場で作った作品を載せておきます)

22313 2323133 22313 1313233 1313233

33113 1313223 133223 1313233 2323133

 

各自で数字短歌を書いた後、それぞれの短歌を集めて匿名で全員に発表し、良いと思う作品に点数を入れる評価の時間を設けました。すると、参加者から高い評価の集まる歌とそうでない歌に分かれました。

数字短歌は、普通の言葉の短歌と違って意味を含まない分、音読したときのリズム感が大きく評価に影響すると考えられます。したがって、歌によって評価が分かれたことは、調べ(音)だけでも何かを表象することが出来ることを示唆します。

 

普通の詩はことばの意味性と音楽性がつねに重層的に進行していますが、今回の数字短歌は「ことばの音楽性」としての詩を浮き彫りにするものであり、とても興味深いワークショップでした。

 

お忙しい中、奥深い前衛詩についての講義にくわえ、ことばの音楽性を実感できるような体験をさせてくださり、改めて深く御礼申し上げます。

 

東京大学医学部4年 酒井冬花

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