AMSS Memoirs
2020. 7. 10
AMSS 音楽療法 (3)
AMSS 音楽療法グループのミーティングで扱った議題や行われた議論,それを踏まえた考察をまとめる。
AMSS 音楽療法ミーティング第3回目
問題提起
小児精神医療の療育における芸術療法の役割について探求する場は少ない
目的
小児精神医療の療育おけるアートの役割を理論的・実践的に研究する。
とくに小児自閉症の病態・症状に基づいた療育のアートの方法を考案する。
日本における音楽療法士の働き方、教育について学ぶ
メンバー
小児精神医療の療育の理論と実践に興味があるメンバー、小児自閉症・音楽療法について理解を深めたいメンバー
話し合いの要点
・現在の音楽療法士育成の教育と、音楽療法士の専門性について学び、理解を深めた。
・音楽療法士の教育や音楽療法の実践において改善のためのアイデアをまとめた。
次回以降の目標
・障害児のケア施設で働く、音楽療法士の方をお招きし、現場での現状、仕事での工夫、現場での課題などをヒヤリングする。
勉強会の概要
・音楽療法には複数のアプローチ方法があり、音楽療法士によって採る手法は異なる
・音楽療法士が学会で認定された「資格」を取得することの意味
・音楽療法士の教育における問題点の一つに臨床スキルをしっかり教育する場が不足しているところもあることがある。
・自閉症の子供に音楽療法を行うにあたって気をつけていること(大きく音を鳴らさず、スケールを大きく、ベースの音を維持しながら、注意を引きつけることなどの具体的な実践例)
・音楽療法で実践する旋法の使い分けについて
(例:スペインの旋法の中で、ハバネラのリズムは複雑でなく、即興しやすく用いやすい。子供にも→安心自由、ストラクチャ、安心感を与えられる)
提案・アイデア
・初見や即興の技能習得・向上の助けになる科学的な知見をまとめると良いのかもしれない
・「音楽マップ」のような、音楽の種類別・与える印象別の分類マップがあると良いかもしれない
・音楽療法で用いる楽器別の比較実験はほぼ存在しないので、介入できる余地がある
・医療の現場の人が役立てられるような、簡単に病識理解が進むようなプロダクトがあっても良いのではないか
・海外の療育アートを購入して療育施設に届けるクラウドファンディングを行うこと
小林香音