top of page

​AMS/AMSS親睦コンサート

2022年12月3日  発表  

北青山の「スタインウェイ&サンズ東京」のホールにて、「不協和音の協和」と題し、第一回目のAMS/AMSS親睦コンサートを開催しました。

079B57BDA12F4327007EABE07C91E4E4DE526068.jpeg

コロナ禍で対面での活動が制限されていた中で、いつか実現出来たら…と長らくあたためていた企画でしたが、スタインウェイ社の皆様、先生方のご支援により、ようやく実現に至りました。

 

各分野の大変ご高名な先生方が次々とご登場くださり、大変豪華な場となりました。元藝大学長でヴァイオリニストの和樹先生もサプライズでご演奏くださいました!

そして、日頃忙しく働く卒業生のみなさん、若さのパワーみなぎる学生さんがアンサンブルやソロにて日ごろの練習の成果を存分に発揮し、休憩なしのパワフルなコンサートとなりました。

また通常のコンサートとは異なり、演奏の合間には西川伸一先生(京都大学名誉教授,オール・アバウト・サイエンス・ジャパン代表理事)がタイトルの不協和に関連し「19世紀の不協和」についてのご講義くださるなど、AMS/AMSSらしい盛りだくさんの内容となりました。

 

人と人が実際に対面することの意味を考えさせられたここ数年、AMS/AMSSでもその話題は幾度となく語られました。一言でそこに明確な答えを見出すことは、難しいのかもしれません。

それでも、今回ただシンプルに医学と芸術という分野の垣根を、そして先生方と学生・卒業生というそれぞれの立場を越えて、一台の素晴らしいピアノを囲み、皆で対面し演奏し合った空間と時間は、とてもあたたかく意義深いものでした。

 

コンサートのタイトルにある、不協和音。

その定義は難しく専門家の間でも意見がわかれるそうですが、広義に捉え「協和音は高い融合度を持ち、不協和音は摩擦的な響きを持つ」とした場合、その摩擦的な響きは巨匠たちの魔法にかかり、数々の名作の中でとてつもない魅力を放っています。不協和音の無い音楽がどんなに無味乾燥になるかは、想像に難くありません。

専門も立場も、バックグラウンドのあまりに多様な私たちですが、だからこそ奏でられる不協和音は、それぞれの中で彩られ、きっと魅力的な響きを生み出せると信じています。

多彩な不協和音を生み出す一音一音を愛し、尊重し合い、それぞれの志す場において確かな響きを残せるように、今後もそれぞれが精進していけたらと思います。

 

最後になりますが、素晴らしいピアノと会場を快くお貸しくださったスタインウェイサロンの皆様に心より感謝申し上げます。

東京藝術大学 ピアノ 若桑茉佑

bottom of page